「toi(トイ)ってどういう意味?」

「灯(to)に寄り(i)添うで” toi ” なんだよ」

そう教えてくれたのは、箱根の山の温泉街「宮ノ下」に新しくオープンしたゲストハウスの代表(ハウスマネージャー)の「がんちゃん」こと岩切大亮さん。

箱根宮ノ下の古民家再生事業としてプロジェクトが始まったこの宿は、クラウドファンディングや、代表のがんちゃんを支えるたくさんの仲間が集い、協力し合い、6月4日にめでたくオープンすることができたばかりのホカホカの宿。

 

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★HOSTEL CAFE & BAR LOUNGE
toi
http://hakone-guesthouse.com/

このtoiがある場所を少しだけ説明しますね。

箱根の歴史ある温泉街「宮ノ下」には、みなさんご存知の方も多いと思いますが、1878年に日本で初めて本格的な国際リゾートホテルとして開業した「富士屋ホテル」があります。なんと今年で138年!

和洋折衷の豪華なつくりの建築は、建物が好きな人にはたまらない容姿をしており、現在、国の登録有形文化財になっています。

 

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この富士屋ホテル、古くは宿泊客に外国人が占める割合が高く、外国人専用であった時期も長かったこともあり、日本文化を伝える展示や工夫がされています。

創業当初の設計は創業者の山口仙之助氏とされており、彼の残した有名な言葉に、「外国人の金を取るをもって目的とす」というのがあります。それだけ、「外国人を対象とした本格的なリゾートホテル」をめざした外観と内観は、今でも観光名所として人気のスポットです。

その雰囲気が広がるように、宮ノ下の街はどこかノスタルジックな異国情緒の漂う洋館も多く、格式高い雰囲気を感じさせる場所でもあります。

 

という街からさらに丘を登り、小さな温泉街を通り抜け、一気に景色が抜けたところに建っています。

「宮ノ下という高級温泉街に、素泊まりの宿」という新しい風、それが箱根宮ノ下温泉ゲストハウスtoiです。

 

アクセスは、箱根登山鉄道の「宮ノ下」駅もしくは「小涌谷」駅。女の子の足で10分くらいでしょうか。

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「宮ノ下」駅から歩くと由緒ある温泉街の雰囲気を感じながら来れますし、「小涌谷」の駅から歩くと箱根の山の自然を感じながらハイキング気分で気持ち良く来れると思います。

(夜遅くに来る場合は、宮ノ下駅から1号線沿いに歩いて、渡辺ベーカリーの駐車場の手前の路地の坂道を登る経路がおすすめです。あとはグーグルマップのなすがままに)

丘を登る坂道を抜け、たどり着くと、そこは山小屋のような、そこだけ風が少し変わるような、そんなポワンとした、まさに灯火のような佇まいの家屋が見えます。

それがtoi。
街から少しなはれ、「今日の旅の終点」だと思える雰囲気の宿です。

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toiの立地の良さは、宿の中のバーカウンターから見えるウッドデッキ越しの箱根の山を見たときにまず感じられるはず。

車通りの多い国道1号線からは少し離れるため、山に夕日が沈むのをゆったり眺めながら、のんびり生ビールを飲む、なーんてこともできちゃいます。
toiの建物の後方を、ゆったりと登る箱根登山電車の音が聞こえる情緒のある夕方の風景は、個人的にイチオシです。

 

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toiでビールを飲む最高さを話し始めると、長くなりそうなので(笑)、早速、施設詳細にうつりましょうか。

 

◎共用スペース

toiは2棟の建物からできています。向かって左側が本館、右側が別館。
その本館の1階にあるのがカフェ&バースペースです。
ここはお金を払って、ご飯やドリンクを注文できるほか、外で買ってきたものを食べたりもできます。(メニューは写真を参照してください)

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カウンター7席、4人掛けテーブル2つの、さほど大きくないスペースですが、そこがいいのです。旅人同士の距離が近い、ちょっと顔をあげれば、がんちゃんとパートナーのかなちゃんが笑ってる、お話しができる、一人になりたいときは、ウッドデッキのチェアで少し落ち着いて。ちょうどいいです。

 

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夕方も、夜も、朝も穏やかで暖かい時間が流れ、ゆるやかな音楽とともに過ごすことができます。私はこんな過ごし方ができるこのラウンジの時間を、「toi time(トイタイム)」と心の中で言って楽しんでます。

 

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私はここから見える箱根の山と、自然光、そしてかなちゃんが立つキッチンの風景を見ながら過ごす「toi time」が大好きです。

 

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●夜ご飯&バー

17時〜23時(フードラストオーダー22時)


●朝ごはん

8時〜10時
和食の朝ごはんと洋食の朝ごはんがあります。
どちらも500円。チェックインの際に必要な方は言ってくださいね。
※洋食朝ごはんの写真のコーヒーは私が別で注文したのでつきません
※和食朝ごはんにはお味噌汁がつきます

昼間の時間帯のカフェはこれからのお話。
準備ができたら開始するそうです。楽しみ。


◎お部屋

●個室

本館の2階に2名用の和室。自然光の入る明るいお部屋です。
1階には1名用の和室。山を眺められる窓があり、のんびりとtoi風景を楽しむことができます。
また、別館にはウッディな空間の2名用の和室が二つあります。

 

●ドミトリー(相部屋)

本館の1階に女性専用のドミトリーがあります。広い和室にお布団を敷いて寝るスタイル。私はこのスタイルがのびのびできて好きです。
別館の1階にカプセルタイムのミックスドミトリーがあります。ここはここでかっこいいんですよ。

 


◎洗面・お風呂など

24時間使えます。ただし夜遅くは静かに使いましょうね。

●温泉

温泉さんがあるんですよここ!
1階の大きな洗面スペースの横に、個室ぽく作られているバスルームがあります。洗濯機と洗面台があり、脱衣所を抜けるとひのきの風呂桶に温泉さんがあります。
自然光が入るお風呂なので、朝の時間に入るのもおすすめ。

 

●洗面、シャワールーム、お手洗い

他に、一階にボックスタイプの個室シャワールーム(脱衣所広め)、お手洗い。
別館にもお手洗いがあります。
本館1階に広めの洗面スペースがあります。女子には嬉しい広さです。


◎ほかアメニティやサービス

ランドリーの利用1回200円
レンタルタオル100円
歯ブラシ100円
駐車場があります(スペースに限りがあるので、要お問い合わせ)
ビールの飲めるウッドデッキあります!

 

 

春の工事中のお手伝いと初夏のオープニングパーティと、そして先日の3回、私はtoiに行っているのだけど、ここで毎回感じることがあって。

それは、流れる「気」の良さ。

 

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toiは限られた資金の中で、宿を運営する二人が出会った鎌倉のシェアハウスの仲間、これまで生きてきた中で出会った多くの人、そして会ったことはないけれど志に共感してくれた 多くの人たちに助けられてオープンしました。

電気ガス水道がままならない寒い季節も、工事がうまく進まない日も、手伝いの人が来てくれる日も来ない日も、山のお天気に翻弄され足場が崩れそうになってびしょ濡れで建物を守った日も、toiはがんちゃんとかなちゃんを支える仲間と一緒でした。

 

 

「自分の時間をかけて助けたい友人だ」と思われるだけの関係を築いてきた若い二人を、私はこころから尊敬しています。
大事なものを大事にしながら生きて来たのだなと思います。
(それは、同じ年の時の私にはできなかったことなので、本当にすごいと思っています)

 

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最近は趣味が高じて、ゲストハウスに泊まることも、呼ばれることも、相談されることも増えてきた私ですが、そんな行く先々で思うのは、やっぱり、働く人にも、地域の人にも、お客様にも、 居続けてもらえる宿、「ここに居たい」と自分の中から思ってもらえる宿というのはあるな、と私はよく思います。
(逆に人が居つかない宿というのは本当にあるもので・・・)

そこには、外面だけでなく大義名分だけでもない「縁」を紡ぐ力のある人が存在していて、その人は自らの経験や周囲の人からの愛を受けて、それが実践できる人なのだと思っています。

 

toiがこれからどんな道を歩くのか、どんなお客様が来るのか、どうなるのか、それに一つも心配をすることはなく、ただ、

「あぁ、きっと人に恵まれて、それに感謝して、ちゃんと自分たちを生きる方法を見出していくのだろうな」

と思っています。

がんちゃんとかなちゃんはそれができると、私はとても自然に信じられます。
だって彼らがお客様に笑いかける、話しかける、自然とそばにいる、気持ちを寄せる、その姿を見ていると、心から暖かい気持ちになるのですから。

 

本物の空気は本当にそれを願っている人にしか作れません。

彼らの佇まいの背景にはとても人間的なつながりを感じます。

 

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「 灯火(ともしび)に寄りそうのは人の縁 」

それがtoi。
そんなtoiをこれからも応援したいと思います。

 

 

来月の箱根の山の大文字焼きの日、ベッドがまだ少し空きがあるようなので、この機会にぜひ行ってみては?私も行けたらいいなぁ、と思っています。

★大文字焼き
なんと今年95回目!花火も上がる大きなイベントです。
http://goura-kanko.jp/blog/2016/04/post-76.html

ビールを飲んで、ご飯食べて、がんちゃんとかなちゃんと仲良くなって、お客さんと話して飲んで、そしてよい「toi time」をお過ごしくださいね。
(もし行く際は「下北のユリ」(この呼び方もどうかと思うけどw)の紹介だと言ってくれると、がんちゃんもかなちゃんもとっても喜んでくれると思います)

 

あー、toiでビールが飲みたい!!!笑

じゃぁ、また!今度はどこに行こうかな!

 

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※今回のアルバムの写真は、toiにて何度かに分けて撮影させてもらったため、現在の内装と若干違う状態の時のものもあります。
ただ、toiの雰囲気は、このまま写真のように暖かい感じなので、このイメージで訪れていただいて、きっと同じ印象を持ってもらえると思います。