竹原ピストルさんがもの凄くいい。
「バイプレイヤーズ」の竹原さんのエンディングが良くて、そこから「よー、そこの若いの」を聞いて、涙腺崩壊。
彼の曲を聞くと音楽を本当に尊いものに思う。

 

「例えば、
芸能人やらスポーツ選手やらがあからさまなだけで
必死じゃない大人なんていないのさ

こんな自分のままじゃいけないなんて、
頭を抱えてる、そのままの自分でいけよ

よー、そこの若いの
君だけの汗のかき方で、
君だけの汗をかいたらいいさ

よー、そこの若いの
俺の言うことを聞いてくれ
『俺を含め、誰の言うことも聞くなよ』

君だけの花の咲かせ方で、
君だけの花を咲かせたらいいさ
君だけの汗をかいたらいいさ」

 

いいっすね。

その竹原さんが、中島みゆきさんの「ファイト!」を歌ってるんです。
この曲は、みゆきさんがパーソナリティをしていたラジオ番組に寄せられた、相談の手紙をもとに作られた歌詞、曲。

内容が放送に耐えれるものではなかったのでしょうか、みなさんからの相談をうけ、きっと公開で相談にのってあげられなかったものが沢山あるのだと思います。

そういう方々へ、みゆきさんがどうしても伝えたかった気持ちを込めて作った曲。

 

世の中には、
過酷な環境で生きていたり、
変えようとしても変えられない人間関係に怯える人がいたり、
大切なものを守るために自分の未来を殺す人がいたり、
十分な教育が受けれずに職に就くことができない人がいたり、
誰かを助けられない弱さで自分を責め続けてしまう人がいたり、
消すことのできない過去に苦しんでただ男の人への憎しみしか持てない人がいたり、、、、
盗み、詐欺、暴力、性暴力。
でも、生きていくしかないと思ってる。

 

そういう内容を、その人たちの言い方や、手紙から読み取った字の震えとともに歌っていく。
みゆきさんがこの歌に乗せたのは、「それでも生きていく」人たちへの「ファイト!」なんです。

https://goo.gl/ef5dmM

「不安な状況でこのラジオを聞いている人もいると思います。」そう始まる、みゆきさんのラジオのコメントが入った音源です。
現代の曲に慣れた人には聞きにくいかも知れません。けれど、これが「歌」だと私は思います。
(歌のところから音量が下がります)

みゆきさんのバージョンが最高にいいけど、ピストルさんのバージョンもぜひ。
https://goo.gl/GzQSne

 

 

弱っている人に、「がんばれ」と言うのは酷だけど、それでも最後に言えるは「がんばれ」なのかも知れない。

 

そして大人になることの醍醐味は、みゆきさんの曲の意味が分かるようになることかもしれない、とそう思った。
下北沢の、大先輩方の視座にはほど遠いけれど。