あずま通り、駅から向かうとその半分を超えたくらい、老舗ロックバーのトラブルピーチまでいかないくらいの場所にある「にしんば」。
とっても個人的にだけど、下北沢でお魚系ではいちばんおいしい居酒屋さんだと思ってる。

ローカルと劇団の人でにぎわう、平日でも週末でも、常に席がいっぱいのお店。地元の人が予約なしで早々に訪れ席を埋めるのと、派手に宣伝や口コミされるお店でもないので、いわゆる一見さんはなかなかいない印象。
(予約もできるけど、サクッといくのがいい感じのお店)


この前の週末、どこにご飯を食べに行こうかとフラフラしてたら、にしんばの前を通りかかり、「あれ?席空いてそうじゃない?!」と色めき立ち、そのまま入店。


私たちが座った席の隣に、ほどなくして外国人の男性二人がご着席。
英語メニューをもらってあげようと思って、店員さんに聞いたら「ない」とのこと。
どうやら彼らは、日本語メニューが無いことを説明されていて、それでもいいと入ってきた様子。


席に座ってニコニコしている彼らに、もう声をかけたくて仕方ない私。
「ここおいしいんですよ!!!何もかも!!!!」
と言いたい。黒板メニューを片っ端から説明したい・・・(おせっかいすぎる)


けど、一緒にいた人に相談すると「まずは様子みたら」という助言。
確かに・・・彼らはこの「さぁどうしよう」という状況を旅の楽しみにしているのかも知れない。

 

こちらの注文を済ませて、玉子豆腐とアオサとじゃこのお通しとビールが来て、たこのお刺身が来て、お肉のサラダが来て・・・と、ほぼ同じタイミングで座ったのにもかかわらず、彼らのテーブルはまだ空っぽ。まだ注文してない様子。

やっぱり声をかけようと思って、「メニューのおすすめしましょうか?」と話しかける。
そうすると「ぜひ!実は日本語全然読めないんだ!」と。

 

食べられないものを一通り聞いて、和食居酒屋さんらしいものを注文。マグロの赤身のお刺身、海老のてんぷら、ほうれん草のサラダと、ポテトサラダ。あとはビール2つ。
「日本のビールはおいしいよね!!」
と日本を褒められて、上機嫌の私。笑
みんなで乾杯して、自己紹介して、彼らの旅の話を聞く。

●カナダのモントリオール出身の二人で今は一人はトロントに在住
(モントリオールはフランス語圏だけど、二人とも上手な英語を話す)
●旅が大好きで、この日本旅も本当に楽しみに来た
●一人は日本が2回目、もう一人は初めて
●日本の食べ物は本当においしい(特にビール最高!)
●2週間の東京滞在中、下北沢の民泊で泊まっているそう
●下北沢は、新宿や渋谷が近いから選んだ
●食べ物やさんが豊富で、生活しやすくてとても居心地がいいと思う

 

「見たことのない飲み物で、「ホッピー」というものがあるんだけど、あれは何?」と聞かれて、「日本にまだビールが無い時代に「ビール風」に作ったお酒がホッピーだよ」と説明。

注文して、味見をしてもらったら「マイルドな飲み物だね!」と言っていたのが面白かった。わたしも今度からそう表現するとしよう。

てんぷらのサクサクとお刺身がとても気に入ったみたいで、彼らは他にもいくつか注文。最後に「お魚をもっと食べたい」ということでそのあと焼き魚(カマ焼きとほっけ焼き)をそれぞれ注文してシェア。
なんとなくお腹が膨れたので、どこかもう1軒一緒に行こうかという話になり、彼らがこのあとの滞在でも夜に立ち寄れる場所がいいなーと思い「Mother」ご案内。

もうその頃には結構酔っ払いのわたし。ですが、この日は幸いにも英語は堪能な人が一緒だったので、もうあとは任せた!と腹をくくる(腹のくくりかた間違ってる)

「Mother」は外国人の旦那様がいるオーナーのちーさんも、お嬢さんのはるなさんも英語が堪能で、ローカルの外国人居住者も多いBar。しかもノーチャージ!

きっとこのあとも、彼ら二人がちょっと飲みたいときにいい場所になってくれると思うんだ。

おすすめのカフェやこの近辺のまち歩きの楽しみ方とか、いろいろな話をして、最後は「案内ありがとう!すごく楽しい夜だったからぜひここは奢らせて!」とご馳走になってしまいました。

 

終盤はもう、酔っ払い全開であとから聞いた話によると、「何しゃべってるかわかんないけど」めっちゃニコニコしてて、それがまた面白いみたいだったよ」。とのこと。
笑顔は万国共通やな。

自分も英語の勉強したいし、下北沢で困っているひとは見逃せないし、何より、この旅を本当にいい思い出にしてほしいから、その旅の中の下北沢の時間を満喫してほしい。

酔っ払いすぎてしまったのは、ものすごく反省だけど、またこういった機会があれば、案内したいなと思う!

 

 

Copyright:Yuri Ito @yurio_it

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