ドラマと震災と言葉。

TVを全く見ない私が、お仕事の関係でTVを見るようになって、ドラマをリアルタイムで毎週見るという、上司もびっくりな行動をしてる。で、今期の月9が面白いと思います。
脚本家の坂元裕二さんの言葉がすごいの。
坂元さんは、「最高の離婚」の時も今回も、東日本震災の出来事をドラマのストーリーに入れています。

「最高の離婚」では、
都内で被災し、公共交通機関が壊滅的な状況で甲州街道沿いに帰る男女二人の姿と、道路沿いただ歩く多くの人たちの姿を。
今回の「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」では、
東京へ出てきた福島の若者が、福島へ帰った翌日に被災し、やむなく再び上京し辛い記憶と戦いながら生きていく姿。が描かれています。

社会や人々の心理に大きな傷跡を残し、価値観を変えたできごとを、自分の仕事を通じて遺そうとすることは、もしかしたらエゴなのかもしれない。けれど、一定数、確実に共感するひとがいるからできる行動だと思う。
あときっと使命感。

この脚本家さんは自分の仕事を社会の中の役割としてちゃんと考えているひとなのだな、と思う。

3.11、揺れなかった地域の人はどういう風に見ているんでしょうね。

坂元さん、言葉のうまい人、本当に。ことばがうまいひと、綺麗な人が本当にすきなもので。
 
ー問題のあるレストランー
 
「奥さんが、まだご飯できてないのに、できたよって言うあれ。あれって、出来たてのあったかいのを旦那さんに食べてもらいたいからですよ。そういうのを、愛情って言うんですよ?」
「短所とは、魅力の別名なんです」
「素直に赤とかピンクを選べる人が不思議でした。「あなた人生何回目?」って思いました。わたしまだ一回目だから、赤が欲しいって言えない。」
 
ー最高の離婚ー
 
「一番最初に思い出す人だよ。一番最初に思い出す人たちが集まってるのが家族だよ。」
「大事なものが後から遅れてくることもあるのよ。愛情だって、生活だって。」
「頭がいいとか知識があるとかより、人を元気にできることのほうが、よっぽど価値があるの。」
「恋が日常に変わって、日常が喜びになって」
 
ーいつかこの恋を思い出して泣いてしまうー
 
「恋って、会ってる時間じゃなくて、会わない時間に生まれるものなんじゃないんですか?」
 
ーWOMANー
 
「家族の言葉には『さよなら』って、ないじゃないですか。さよならって言いたくない人に出会ったとき、ひとは結婚するのかなあって思うんですよ」
「たった一日や、一度の幸せを大事に抱えて、一生、生きる人もいるの。それはそんなに悪い生き方じゃないわ」
「父親の仕事は、子供に希望を伝えることだと思う。母親の仕事は、子供に愛を伝えることだと思う」

 
行動より先にテキストが飛び交う社会だから、言葉がたやすく、そして安くなっているのかもしれない。
なので、吟味された言葉を、すごく大事に受け取りたくなります。

 
で、話飛ぶけど、
月9の中で描かれている東京の姿がなかなかエグくて、でもきっとこういう風に見えるんだろうなと思う。

トーキョーイズサバイバルシティ。

 

でも生きていくんです。

 

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