世界遺産「紀伊の霊場と参詣道」として世界遺産登録されている高野山。

みなさん高野山てどこにあるか知ってますか?

紀伊半島南部、和歌山県にある標高1000Mほどの山です。山の上は約33万坪(!)の盆地となっており、そこに町が開かれ、多くの寺院が存在しています。

 

真言宗の開祖である弘法大使空海がここに密教の道場を開き、そこから始まった高野山の仏都としての歴史、来年でなんと1200年目。

2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界文化遺産に登録され、日本国内はもとより世界各国の方々が数多く訪れてる一大聖地。ミシュラン旅ガイド日本版において、高野山は三つ星を獲得しており、優れた観光地として人気を集めています。

来年はイベントも目白押しなので、その前に(混まないうちに)今回は晩夏の高野山に登って来ました!

 

■ウェルカム高野山!2体の金剛像が迎える総門「大門」■

 

Copyright:Yuri Ito @yurio_it

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11世紀末ごろに立てられた高野山の総門。現存のものは1702年(宝永2年)に立てられたもので、国の重要文化財に指定されています。

両脇の金剛力士像(阿形、吽形)はこれまで見た中でもなかなか人間味のある表情。凛々しく、且つどっしりと、大門のある高台から門を通る私を見ていました。

ここは日本の夕陽百選に選ばれているそうなので、毎日美しい景色も見れて金剛さま役得ですね。

 

 

■朱塗りの大塔が青空に映える美観の「壇上伽羅」■

「伽羅」(きゃら)とはサンスクリット語の”サンガ・アーラーマ”の音訳で、本来、お坊さんが集まり修行をする「閑静・清浄なところ」という意味があるそうです。後ほど紹介する「奥の院」と共に、高野山の2大聖地であり、弘法大使は高野山の造営にあたりこの壇上伽羅から始め、密教思想にもとづく、金堂、大塔、西塔、僧房等の建立に心血を注いだそうです。
つまりここは開創のころよりあるお坊さんの修行場。だからでしょうか、色々な衣装(階層が違うのでしょうね)のお坊さんに多くすれ違いました。また塔に向かってじっとお経を唱えるお坊さんも良く見かけました。

*根本大塔
真言密教の根本道場として立てられたもの。中には曼荼羅を立体的に表現した豪華な宝物があります。
とにかく朱色の眩しい、美しい建物。これは一見の価値あり。

 

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*金堂

高野山の総本堂で、年中行事のほとんどがここで行われます。
中は畳敷きの静かな空間で、お堂の中央に安置されている仏様を見ながら落ち着いた気持ちで過ごせる。個人的には一番のお気に入り。

 

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*中門(工事中)
来年のイベントへ向けてお化粧直し中。金堂の真正面に見えるので、正式には中門から伽羅エリアに入ると、景観が美しいのだと思います。
*六角経堂

 

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*山王院
奥に在る御社の拝殿。ここも美しい朱色の鳥居。

 

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*西塔
壇上伽羅の奥にたたずむ、緑に囲まれた塔。

 

 

*三鈷の松
みんなここで何か探し物をしているから何かと思えば、こちら聖木として祀られている伝説の松。中国の唐から弘法大使が投げた三鈷(法具)がこの松にひっかかり、ここに密教を開く事を決めたそう。松葉が3本でとても珍しい。開創1200年ギャラリーで、スタッフの人にお土産てもらってしまった。嵐の日に拾いにいくと落ちているそう。

 

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*不動塔
国宝です。あらゆる厄災を跳ね返してくれる不動明王さまがここにいます。美しく整えられた茅葺き屋根の、しっとりと苔むした感じに見入ってしまいました。苔ってなんであんなに情緒があるのでしょうね。

 

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*東塔(写真上)、三昧堂(写真下)
こじんまりしているけど、とてもきれいな建物。奥の蛇腹道がこれから紅葉するので、その頃にはコントラストが美しい、情緒のある写真が撮れそうです。

 

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*大会堂

 

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他にも見所たくさんの壇上伽羅、ぜひ1時間半〜2時間程かけてゆっくりまわって下さい。

 

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■重要文化財のオンパレード!真言宗四千寺の頂点「金剛峰寺」■

金剛峰寺の歴史は古く建立は1131年(天承元年)。再三の火災によって焼失しましたが、現在の本殿が1863年(文久3年)のものだというので、それでも歴史のある建物です。1869年(明治2年)に、全国の真言宗寺院を統括する管長職がおかれ、、現在は高野山真言宗4千のお寺、信徒1千万人の総本山となっています。

*入り口(写真上)と外観(写真下)

まずお寺の門までのアプローチが美しかったです。紅葉の季節はこの両サイドがオレンジと緑のグラデーションになるのだと思います。

 

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*石庭
本殿の中には社会や美術の教科書に出てくる美術品、立派なふすま絵のオンパレード。さながら美術館。普段は公開されていませんが、運慶快慶親子の超貴重な彫刻も保管されています。さらにお部屋からお部屋に移動する際に見えるお庭も美しく、一番大きなお庭となるこの蟠龍庭(ばんりゅうてい)は日本最大の石庭だそうです。雲海に浮かぶ雌雄の龍、見えますか?

 

 

*お接待と説法
順路の途中で、新別殿と呼ばれる大きな広間に到着します。お寺のお手伝いのおばちゃんが台所から出て来て、「いらっしゃいませ!」と言って、冷たいほうじ茶とお茶請けのお菓子をくれました。「好きなところでどうぞおくつろぎなさって」と促された先で、ごろんと転がりお庭をぼんやり眺めながらのんびりすることができました。
こういう時間があってやっとこのお寺を味わっている感じがします。

 

 

少し経つと、お坊さんが広間の中央に人を集めて、とっても親しみやすい口調で法話を始めました。
どんなに親しき仲でも会話をするということ、「言霊」に笑顔を乗せること、そんな話をしていたと思います。

金剛峰寺は、休憩の時間を入れて、1時間半で十分まわれると思います。
混みますが、午後に行って、ちょうどお茶の時間をここで過ごすのもいいかと思います。

 
■高野山の最も神聖な場所「奥の院」いざ弘法大使の御廟へ■

宿坊の朝、読経のおつとめ、精進料理の朝ご飯を食べて、7時半には奥の院の入り口「一の橋」にいました。なんて神聖な雰囲気!入り口からもうテンション上がりまくりっ!
だけど寒い!!持って来たアウターを急いで羽織って、いざ弘法大使さまに会いにいきます。

奥の院とは、弘法大使空海が今でも瞑想を続けているとされている御廟へ向かう、2キロほどの参道です。太古からそこにあったことが感じられる大きな老杉の林に守られる様に、歴史上の偉人達の供養塔が立っています。その数は数十万基と言われ、高野山が日本一の霊場である所以がここにあるのだと思います。

私は今回一の橋から入りましたが、中の橋の入り口(「奥の院前」バス停降車)から参道に入ると、比較的バリアフリーに使える道になっています。車いすの方は中の橋からどうぞ。

*一の橋
昔から、弘法大使さまが人々をここまで送り迎えしてくれると言い伝えられています。なので、ここで合掌一礼して奥の院にエントリー。
(一の橋に一番近いのは「奥の院入り口」というバス停です。ただ、時間帯によってはバスが停まりません。時刻表を見て、「一の橋」バス停を使ってください。)

 

 

*中の橋

Copyright:Yuri Ito @yurio_it

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*珍しい形のお墓と個性豊かなお地蔵さんたち

 

 

*水向け地蔵

 

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*御廟橋(写真上)と玉川(写真下)

ここから先は撮影禁止です。ただ、ここからもう本当に美しく、空気が全く違います。光の降り方すら違うように見えます。高野山に行かれる方は、ぜひ早朝から奥の院に入り御廟にお参りされることをおすすめします。

 

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御廟橋のかかる玉川は、奥の院の裏の山、霊峰楊柳山より流れ出る清水。キラキラでした。

 

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奥の院は、一の橋から弘法大使御廟のある燈籠堂まで、40分ほど。ただ、偉人達の供養塔の中には芸術品レベルのものもあり、参道の雰囲気を感じながら、供養塔や参道脇のお地蔵さんに心奪われていると一時間は余裕でかかります。
御廟橋手前の休憩所で少し休んだりすることを考えると、奥の院エリアで2時間あると安心です。

 

今回紹介したのは一部ですが、他にも山内には歴史ある建物や場所が多くあり、どこもその歴史の重みを感じる雰囲気でした。秋の紅葉シーズンなど、美しい景観が期待できる場所も多かったです。ぜひ一度訪れてみて下さい。

 

 

◎ TRIP INFO ◎

*旅の情報収集
「聖山高野山 紀伊山地の霊場と参詣道」
http://www.shukubo.net/
高野山の宿望協会が運営しているサイトで、写真がとってもきれいです。

「高野山真言宗 総本山金剛峰寺」
https://www.koyasan.or.jp/index.html

*現地では複数の観光案内所を活用できます
旅の途中で情報収集をしたくなったら、山内に複数ある観光協会を活用して下さい。
・バス停「千手院橋」すぐの中央案内所(携帯の充電できます!)
・バス停「中の橋」すぐの中の橋案内所(食事どころあり!)
・バス停「一の橋」すぐの一の橋案内所(こうや君がお出迎え!)

*便利なこと
来年に大型イベントを控えているのもあると思いますが、ミシュラン三ツ星の観光地は色々さすがです。
・山内には清潔なトイレが道路脇に数カ所ある!
・観光案内所や高野山開創ギャラリーなど休憩・お手洗いに行けるところが複数ある!
・バスが土日日中ピーク時10分に1本。歩ける距離に各観光スポットがありますが、とはいえ疲れるのでバス便利!
・多くの観光スポットでバリアフリーへの配慮がされている!
・観光案内所や記念ギャラリーには英語が話せる人がいます!また様々な言語のパンフレットがある!
・お寺さん内でお菓子とお茶の接待してくれるところがあり、タイミングを合わせればお坊さんの法話が聞ける!

*ちょっと注意
・移動は計画的に!遅くまで拝観できるところもありますが、バスが夕方17時頃より激減するので注意。
・小銭用意!拝観料を払うところが無人のことがあります。おつりがでないので100円50円玉は多めに用意。
・山道注意!高野山はハイキングの場所としても人気。ただ、時期によっては蜂が多発するようなので注意。
・混雑注意!人気の観光スポットなだけに、休日日中は混むところがあります。神聖な空気を感じたかったら、早朝スタートで。
・寒い!高野山は山です。都心より5〜6度気温が下がります。特に朝から動く場合は服装に気をつけよう。

 

◎ ACCESS INFO ◎

*高野山にいくには
大阪なんば駅から南海線で橋本駅へ。高野線に乗り換えて極楽橋駅へ。ケーブルカーに乗り換えて高野山駅に到着。そこからは高野山内を走る路線バスで主要な寺院、観光スポットへ行けます。
ただし、路線がいくつかあるので駅前のバス停留所で乗るバスを迷う可能性あり。最初にどこに行きたいのか事前に決めて、高野山駅の出口にいる案内の方にどのバスに乗ればいいか聞きましょう!

 

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※高野山駅のバス案内所にあった路線図。結構路線が多く、なんと熊野まで行けちゃう。

 

*便利なサイト
南海高野ほっと・ねっと〜高野山へ行く〜
http://www.nankaikoya.jp/iku/index.html

*お得なフリーパス
「高野山・世界遺産きっぷ」
http://www.nankaikoya.jp/iku/index.html
国内主要観光地では、鉄道会社バス会社と提携してお得なフリーパスを発行していることがあります。今回は南海電鉄が発行する、「高野山・世界遺産きっぷ」なんば駅の窓口で購入。
区間は、なんば駅〜極楽橋駅〜高野山駅往復、山内でのバス2日間乗り放題で2860円(特急は利用せず)
山内でバスに2〜3回乗れば元が取れます。高野山へ大阪方面からいく際はぜひご購入を!

◎ STAY INFO ◎

*便利なサイト
「高野山宿坊協会」
https://shukubo.net/contents/stay/

今回私は、翌朝早くから御廟を目指したかったので宿坊泊にしました。お世話になったのは「密月院」さん。
宿坊の宿泊価格は平日素泊まり4,000円〜朝夕食つき20,000円くらいと幅があります。じゃらんなどの宿泊予約サイトで予約できるところもありますので、お好みのスタイルで選んでください。

 

Copyright:Yuri Ito @yurio_it

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@yurio_it

 

*ゲストハウスも人気
「Koyasan Guest House Kokuu」
http://koyasanguesthouse.com/
奥の院の先にあるこのゲストハウスが海外から来た方に人気なようでした。オシャレ!!